日本のマンガは「MANGA」として今や世界中で読まれ、「クール・ジャパン」の中でも重要な位置を占めるものになりました。ここでは私、有坂汀が自分の人格形成をなす上で大きな影響を受けた漫画を紹介します。その一部は幣ブログ『誇りを失った豚は、喰われるしかない。』においても取り上げておりますが、ここでは本格的に。リストアップしてわかったはことは、『週刊少年ジャンプ』を私は中学校を卒業とともに『訣別』したのですが、「努力・友情・勝利」をスローガンにする少年ジャンプ「イズム」に大きな影響を受けたと再認識した次第です。
主人公の、雪藤洋士はアルバイトをしながら自転車で日本一周の旅をするウラで、社会に潜む悪しき者を憎み、闇に紛れて制裁を下す“黒い天使”としての顔を持つという平松氏お得意の「勧善懲悪」が色濃く反映されたアクション巨編です。
「地獄へ落ちろ!!」
の言葉と共に雪藤の冷徹なスポークが突き刺さるシーンはとても印象的でした。
ママチャリで激坂を登り、秋葉原通い、往復90kmを疾走する「Aボーイ」の高校生・小野田坂道君が何の因果か自転車競技部へ、壮絶な自転車競技を圧倒的な筆致で描き、登場人物も魅力的な人物ばかりで、久しぶりにハマッたマンガです。
歴史的な大ヒットを記録したバスケットマンガの金字塔です。好きな女の子に振り向いてもらいたい一心でバスケを始めた主人公の桜木花道が驚異的なスピードで成長を遂げる姿は圧巻です。
ボディコン服にダイナマイトバディーを包んだヒロイン、ゴーストスィーパー美神令子と彼女の体目当てに薄給でアシスタントを務める横島忠夫。そして幽霊のおキヌちゃん(後に人間として復活)が繰り広げるオカルトコメディです。美神さんの強烈なキャラクターが印象的です。
続編である『Ⅱ』も『イブニング』誌で連載された料理漫画のパイオニア的作品です。亡き父が残した日之出食堂を母と一緒に支える主人公味吉陽一の前に『味皇』こと村田源二郎が現れ…そこから陽一君の料理アドベンチャーが繰り広げられます。
マルクスの『資本論』とドストエフスキーの『罪と罰』を下敷きに、現代社会にまつわる「金」についてのひきこもごもを描き尽くした傑作です。紹介されている金融に関する知識は時とともに古びて生きますが、人間の中にある『業』は普遍のようです。
『イブニング』誌にて2015年3号掲載分が最終回となったダークヒーロー。成嶋亮を主人公にした格闘技マンガです。「格闘」の持っている負の側面である、暴力の手段としての要素や、90年代以降激変した日本社会の闇、人間心理のダークサイドに大きくスポットを当てている作風が特徴です。
一説によると山口氏の漫画は臓物がまろび出る描写が多いことから
「ホルモン漫画」
一部で囁かれておりますが、オーソドックスな少年漫画のストーリーに山口先生の卓越した画力とハードな世界観の構成が相まって、いつ読んでも魂を揺り動かされる作品です。
時計坂高校に入学した順菜正太郎は、日比野真琴に一目惚れするも、演劇部の部長である徳大寺ヒロミに目を付けられ…。と高校演劇部を舞台にしたラブコメですが、今思い返してみると多種多様な性癖を持った登場人物が描かれていて、僕が比較的LGBTなどの「セクシャルマイノリティー」に対して寛容な態度を取ることができるのも、この作品による影響が大きいのかもしれません。
人間の心に悪魔の力と姿を持つデビルマン。不動明を主人公に、のちに「大魔神サタン」として敵対し、最終戦争へと突入する飛鳥了との関係を軸に、黙示録的な展開が描かれるマンガ史に残る傑作の一つです。
徳弘正也氏による近未来のディストピア社会を描いたSFアクションラブコメです。あおり文では
「近未来SF冒険SEXYバイオレンスラブロマンスせんずりコメディちんこ漫画」
という触れ込みですが、人間の「ダークサイド」をかなり踏み込んで描いていますので、好き嫌いが分かれるかもしれません。
極真会館創始者・大山倍達総裁の半生を描いた自伝的マンガです。大山総裁が「昭和の宮本武蔵」にならんと難行苦行を経て自らの「空手道」を確立するまでが描かれ、のちの格闘技界に大きな影響を与えた作品の一つです。
アニメ化もされ、大ヒットを記録した90年代『週刊少年ジャンプ』看板作品の一つです。オカルトや格闘要素を織り交ぜながら、主人公の浦飯幽助とその仲間たちの活躍を描く冒険活劇であり、個人的には「魔界の扉編」で敵として浦飯たちに立ちはだかる仙水忍が大のお気に入りでした。
小学館の『ヤングサンデー』誌(現在は休刊)にて連載されていた漫画家、山田玲司先生による対談マンガです。正直、山田先生と僕は思想的にぶつかる部分が少なくないですが、このマンガは素直にすばらしいと思え、のちにここに取り上げられている人々とSNS上でやり取りが出来るようになり、その点ではとても感謝しております。
漫画家、白土三平先生の描かれた不朽の名作です。全三部構成。しかも未完であるにもかかわらず、その魅力は決して色あせることはありません。後に知ったことですが、この作品は全共闘世代の学生たちに強く支持され、「時代の申し子」といっても良いと思います。僕がこれを読んだのは2008年。1ヶ月ほど東京に逗留していた時期のことで、登場人物たちに当時の自分の境遇を重ねておりました。
第8回文化庁メディア芸術祭賞 第9回手塚治虫文化賞 第40回日本漫画家協会賞を総なめにした2002年より毎日新聞にて連載されている漫画家、西原理恵子画伯による大人気「実録・家族マンガ」です。西原画伯の力強い「かあさん」ぶりと、二人のお子さんたちの成長振りがたまりません。