・有坂汀を作ったもの(書籍編)

こちらでは私、有坂汀が今までの人生の中でも『これだけはマストアイテム』という自身の人格形成に不可欠であった書籍を紹介させていただきます。幣ブログ『誇りを失った豚は、喰われるしかない。』でも書評は主に展開させていただいておりますが、その中から特に選ばせていただいたものをここに掲載したいと思います。


・哲学の先生と人生の話をしよう

國分功一郎著  朝日新聞出版

 

 

気鋭の哲学者、國分功一郎先生が 評論家・宇野常寛氏主宰・編集をされているメールマガジン『メルマガ・プラネッツ』にて連載されていた34の人生相談をまとめ、それらに加筆・訂正を施したものであります。 読むたびに新しい発見があります。                   



筋と義理を通せば人生はうまくいく

高須克弥著 宝島社



美容整形手術のパイオニアであり、高須クリニック院長として有名な高須克弥先生の著した自伝です。内容は高須先生版の『私の履歴書』といっても過言ではありませんが、内容があまりにも波乱万丈かつ面白すぎるので、「本家」である日経新聞版のそれには決して掲載されないでしょうが、さまざまな読み方の出来るテクストです。



・国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて

   佐藤優著 新潮文庫 新潮社

 

 

作家であり、元外交官の佐藤優氏が俗に言う『鈴木宗男事件』に連座して東京拘置所に「512日泊513日間」の拘留生活と、彼を担当する検察官・西村尚芳氏との息詰まる攻防戦を通して、自身の『国策捜査』論を縦横無尽に展開する本書は、後に続く事件にも大きく影響を与えました。



獄中記 (岩波現代文庫)

   佐藤優著 岩波書店

 

 

本書は外務省の元主任分析官で、2002年に背任・偽計業務妨害で逮捕された著者が、512日間拘置された東京拘置所内で記した日記に加え、同僚や友人、弁護士らに綴った書簡を収録したものです。不条理な環境の下で学術書を中心に約250冊を読破し、原稿用紙5000枚、大学ノート62冊のメモをまとめるという驚愕の記録がここにあります。人間はどのような環境や境遇に陥っても学ぶことができるということを証明してくれるものです。



相場師一代 (小学館文庫)

   是川銀蔵著 小学館

 

 

「最後の相場師」の異名を取った投資家、是川銀蔵翁が93歳で記した唯一の自伝です。私もこの本に出会ったのは大学時代のことですが、世の中を見る目や、不遇のときの人生の過ごし方、さらには勝負を決する言葉など、本当に影響を受けました。そのなかでも投資に関する言葉はIT全盛の世でもまったく古びてはいないと思います。

 



欲望と幻想の市場―伝説の投機王リバモア

   エドウィン・ルフェーブル 林康史  東洋経済新報社

 

 

本書は、ギャン、ソロス、と並ぶ天才的な投機家であるジェシー・リバモアを描いた「小説」であります。投資を考えていたりやっている方にとっては「マストアイテム」ともいえるべきものですが、個人的には何度破産を繰り返しても這い上がってまた巨万の富を築いていくという「生き様」がすごいと思いました。

 

 



・冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見 (日経ビジネス人文庫)

   ジム・ロジャーズ   林康史 望月衛 日本経済新聞社

 

 

本書の存在とジム・ロジャーズのことを知ったのは大学時代で、彼がジョージ・ソロスと組んでクォンタム・ファンドを興し、巨万の富を築いた後にソロスと袂を分かち、悠々自適な暮らしを営む中で「世界を知る」ために1度目はバイクで回り、本書につづられている2度目の世界旅行記は後に妻となる女性を連れて、改造した黄色のメルセデス・ベンツを駆って回った時のものです。この段階で彼は中国の台頭を予言しておりました。




ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

   J.D.サリンジャー 野崎孝

 

著者のJ.D.サリンジャーは2010年の1月27日に亡くなりましたが、この小説は世代を超えて読み継がれることでしょう。村上春樹版もありますし、僕も読みましたが野崎孝訳のほうが個人的には好きです。ニューヨークの街を、たったひとりでさまよいつづける16歳の少年ホールデン・コールフィールドの目に映じたものは何なのか?彼の延々と繰り返す「ひとりごと」の中に自分を重ねたのは、決して私だけではないと確信しております。



マンハッタン少年日記 (河出文庫)

   ジム・キャロル著 梅沢葉子訳

 

1995年にレオナルド・ディカプリオ初主演で映画化されたもうひとつの『ライ麦畑でつかまえて』と呼ぶべき傑作です。筆者の十三歳から十六歳までの日記であり、「純粋になりたい」とつぶやきつつ、ドラッグや暴力に深く傷つく姿に、六〇年代ニューヨークの実像が浮き彫りになっていきます。映画もあわせてご覧になっていただけるとありがたく思います。



・『海峡』 (新潮文庫)

   伊集院静著 新潮社

 

 

作家、伊集院静先生が週刊文春に連載していたエッセイ「二日酔い主義」の最終回に、この『海峡』『春雷』『岬へ』は、伊集院さん自身が、「読んでもらいたいと、初めて思った小説」ということで、初めて出会ったのは大学時代のことでした。自伝的な内容が色濃い三部作で、その圧倒的な内容に打ちのめされます。



病葉流れて (幻冬舎文庫)

   白川道著 病葉流れて (幻冬舎文庫)

 

 

私の中で『海峡』三部作と双璧をなすほどに自己形成に影響を受けた小説です。これもまた三部作で、『流星たちの宴』の主人公である梨田雅之が大学に入り、麻雀と女を通して、裏の世界にも足を踏み入れながら、成長していく過程を描いた青春ギャンブル小説です。僕は麻雀についてはからっきしですが、小説全体に流れる『空気』をこよなく愛する人間の一人です。



二十歳の原点

  高野悦子著 カンゼン

 

 

これは、1970年代に若者たちの間でベストセラーとなったものです。20歳と6か月で、その生涯を自ら閉じた著者が最後に過ごした半年間を克明に綴った日記です。これもまた『二十歳の原点ノート 十四歳から十七歳の日記』『二十歳の原点序章』の三部作なのですが、彼女の持つ痛々しいまでの純粋さや、つねに自分自身に問いかけ、自己に求め続けたその姿は私の中にすでに失われた『何か』を思い起こさせます。



悪霊 (光文社古典新訳文庫)

  フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー著 光文社

 

 

文豪・ドストエフスキーが内ゲバリンチ殺人事件である『ネチェーエフ事件』を下敷きに「自分の魂の中から彼(=スタヴローギン)を取り出してきました」と編集者に語ったダークヒーロー。ニコライ・スタヴローギンの最期の日々が幾多もの重厚なテーマに沿った形で描かれます。いつの世も変わらぬ人間の「負」の部分を余すところ無く描き、ドストエフスキー作品の中では一切の救いが無いことでも有名であります。



・メメント・モリ

藤原新也著 三五館


この本は私の人生の中で最初に大きな影響を与えた本です。「ニンゲンは犬に喰われるほど自由だ」というフレーズがものすごく印象に残っております。新装版になって何度も世に問われるのは読者冥利に尽きます。



・モンテ・クリスト伯(岩波文庫)

アレクサンドル・デュマ著 山口義雄訳

岩波書店


身に覚えのない罪を着せられ、刑に服さざるをえなかった主人公・エドモン・ダンテスがモンテ・クリスト伯となって自分を陥れた人間に次々復讐を遂げていく世界文学の傑作です。ラストの

「待て、しかして希望せよ!」

は永遠のメッセージです。